指定正味財産

 「公益法人会計基準」で規定される貸借対照表上の表示項目である。当該基準で示された貸借対照表のひな型においては、資産から負債を差し引いた価額である正味財産が、「指定正味財産」と「一般正味財産」に区分され表示される。「指定正味財産」とは、寄付によって受け入れた資産で、寄付者等の意思により当該資産の使途について制約が課されている場合に、当該受け入れた資産の額である(公益法人会計基準注解6)。また、当期中に当該寄付によって受け入れた資産の額は、正味財産増減計算書における「指定正味財産増減の部」に記載することとされる(公益法人会計基準注解6)。従って、正味財産増減計算書における「指定正味財産増減の部」に表示される科目の当期増減額が、貸借対照表の「指定正味財産」の区分と連携し、そこに計上されることになる。「指定正味財産」として分類される項目は、具体的に、①寄付者等から公益法人の基本財産として保有することを指定された土地、②寄付者等から奨学金給付事業のための積立資産として当該法人が元本を維持することを指定された金銭など、寄付によって受け入れた資産でありかつ寄付者等の意思により当該資産の使途、処分または保有状態について制約が課されている場合の当該資産の価額である(「公益法人会計基準」の運用指針7)。
(宮本幸平)