(遠島敏行)
実費弁償方式
一定の業務を有償で受託した場合に、その受託報酬額(受託料)をその業務を遂行するために要した費用(実費)を超えない額で精算する取引方式をいう。従って、受領した受託料と実費とを比較し、受け取った受託料が実費を超えている場合にはその超過額を返還することになる。受託料が実費より少ない場合には、差額は補塡されない場合が多い。実費弁償方式は、公益法人等の非営利団体が行政から受託する事務処理業務、施設等の管理業務等を受託する場合に採用される場合が多い。なお、収益事業の課税上は、法人税基本通達15-1-28により公益法人等が、事務処理の受託の性質を有する業務を行う場合においても当該業務が法令の規定、行政官庁の指導または当該業務に関する規則、規約もしくは契約に基づき実費弁償により行われるものである。かつ、そのことにつきあらかじめ一定の期間(おおむね5年以内の期間とする。)をかぎって所轄税務署長(国税局の調査課所管法人にあっては所管国税局長)の確認を受けたときには、その確認を受けた期間については、当該業務は当該公益法人等の収益事業としないものとされている。