システムズ理論

 分析対象をシステムとして捉える考え方は、Bertalanffy, L. (ベルタランフィ)の一般システム理論やWiener, N. (ウィーナー)のサイバネティクスにより広まり、Barnard,C. I. (バーナード)はじめ経営組織論にも大きな影響を与えた。そこではシステムを、相互に作用し合う諸要素の複合体として捉え、1つのシステムにはその下位にサブシステムがあり、またそのシステム自体もより大きなシステムのサブシステムであるとする。これによって複雑な現象や構造を体系的に整理し、分析しやすくなった。しかし、システムを分解すればサブシステムの集合であるとするだけでは還元主義に陥ってしまう。全体としてのシステムは、サブシステムの集まりという以上の特性をもつことがあり、それが説明できなくなる。つまり、システム論はそのシステムのなかにどのようなサブシステム(要素)があるかをみるだけでなく、どのようなシステム間の繋がりや相互作用が発生するかを分析する視点でもある。とりわけ学習、創発性、アブダクションなどが注目されるようになり、よりシステム間の相互作用に注目した新しいシステムズ理論として再構築が図られている。
(吉田忠彦)