資金援助者

 非営利組織に対する資金援助者は、組織経営を支える重要なステークホルダーである。資金援助者は、会員、寄付者、助成や補助を行う民・公的団体、また非営利団体が提供する事業への対価を支払う個人や団体、金融機関などさまざまである。一般的に会員は団体のミッションへの賛同と信頼をもとに定期的な資金援助を行う。寄付者は、「社会のために」「世の中を変えるために」などさまざまな動機に基づき団体への資金援助を行う。財団、自治体、国などは、助成金・補助金を通じて団体の設立・活動・事業などを支援するために一時的な資金提供を行う。金融機関は融資等により支援を行う。近年、資金援助のチャネルが多様化することにより資金援助者の姿も多様化している。たとえば、クラウドファンディングや、対象となる製品やサービスを購入すると一定額の寄付金が受益者にわたる仕組みを活用する資金援助者もいる。非営利組織は外部の資源依存性が高いため、多様な資金援助者を有することが持続可能な経営に繋がる。その場合、多様な資金援助者のそれぞれの目的に応じて、資金の使途やその効果についてのアカウンタビリティが問われることに留意する必要がある。社会制度的には、遺贈寄付、寄付税制、不動産寄付など、支援者が資金援助をしやすい仕組みづくりが求められる。
(島岡未来子)