事業分量配当金(中協)

 協同組合等(法人税法別表第3、企業組合・協業組合等は含まれない。)の剰余金は、組合の発展のためおよび組合の活動支援のため準備金への積立てに供されるほか、組合員の利用の一部を事業分量配当として組合員に還元することが認められている(中協法5Ⅰ④、国際協同組合同盟[ICA]原則の第3原則)。税法も、協同組合の性格を考慮し、剰余金処分に特例を設け、損金算入を認めている。事業分量配当については、組合員が組合に支払った事務取扱手数料等の割戻しに相当するものとして、事業の利用分量に応じて配当した場合には税法上の特例で損金に算入することができる(法人税法60の2①)。
 損金算入には、①組合決算において、剰余金処分案に計上して、総会の承認を受けること。②対象となる剰余金は、組合員が組合事業を利用して生じた剰余金にかぎられ、固定資産の処分等による剰余金、自営事業を営む協同組合等の当該自営事業から生じた剰余金の分配は該当しない。③分配の基準となる組合員の事業利用高は、当期の利用高にかぎられ、当期の所得金額を超える事業分量配当や、当期前のものは含まれない。④事業別損益計算が実施されており、1つの事業についての利用分量配当はその事業によって生じた利益の範囲内において、組合と組合員との取引の量に応じて事業の種類別に一定の率で分配することが必要である。
 なお、組合は利用分量配当金の支払いにあたっては源泉所得税を徴収する必要はなく、損金算入の取り扱いを受けた部分は、支払いを受けた法人組合員の側で益金に算入しなければならず、受取配当金の益金不算入の対象とはならない。ただし、税務計算上損金算入を行うには、申告書別表4において「利用分量配当金損金算入」とし「総額」欄と「社外流出」欄に記載のうえ、減算を行うことが要件になっている。また、事業分量配当等として協同組合等の事業に従事した程度に応じて配当(法人税法60の2②)も税法上の損金の額に算入される。
(境 裕治)