財務会計基準審議会(米)

 1973年に設立されたアメリカの会計基準設定主体である。FASBと略称される。FASBは、コネチカット州ノーウォークに本拠を置く独立した民間セクターの非営利組織である。そして、公開・非公開企業と非営利組織の財務会計および報告基準を設定している。FASBは、証券取引委員会(SEC)により、公開会社の会計基準設定主体として認定されている。また、州の会計委員会、アメリカ公認会計士協会(AICPA)、およびその他の分野の組織でも認められている。FASBは、投資家や財務報告書類を利用するその他の人々に有用な情報を提供することを目的とし、透明で包括的なプロセスを通じて財務会計基準を開発および発行するよう努めている。FASBを支援する組織として財務会計財団(FAF)がある。FAFは、1972年に設立された組織であり、コネチカット州ノーウォークを拠点とする独立した民間セクターの非営利組織である。そして、FASBおよび政府会計基準審議会(GASB)の監督、管理、資金調達、および任命を担当している。FASBが設立される以前の財務会計報告基準は、まず、アメリカ会計士協会(AIA)の会計手続委員会(CAP、1936〜1959)によって作成されていた。そしてその後、AICPAの会計原則審議会(APB、1959〜1973)による作成が行われた。これら前任団体の決定事項がもつ強制力は、FASBによって修正および更新されないかぎり現在も残っている。
(日野修造)