コンメンシュレート・テスト(米)

 慈善組織やその他の免税組織が寄付金や助成金を含む資金額のなかで、どれだけの資金を組織のミッションや慈善目的に配分しているかについて査定するアメリカIRS(内国歳入庁)の適格検査である。主として免税を申請するファンドレイジングと助成をする組織にSection501(c)(3)の免税資格を与えるかどうかを決めるための検査である。また、この検査の目的は免税された組織が実際に組織のミッションや慈善目的に沿って資金を使っているかどうかについて特定の基準や比率ではなくてケースごとに調べることで、組織の効果や有効性を監視することにある。しかし、人件費や管理費等、あるいは初期費用などの資金利用の状況は組織によって違うために、単独の個人や会社が資金を拠出し管理するプライベート財団(private foundations)は別として強制的な支出要件はない。ただし、慈善目的支出が少ない場合には、それには合理的理由があるかどうかが精査の対象となる。
(堀田和宏)