コモンプール財

 財の性質を排除性と競合性からみた場合に、競合性はあるが排除性がないものをいう。準公共財のタイプの1つである。たとえば山にある枯れ木は、燃料として用いられる場合、その使用によって消滅し、また供給量にかぎりがあり競合性があるにもかかわらず、誰もが山に入って採取できるために排除性がない。このように共有地やそのアクセスに制限がかからない状況においては、通常であれば商品となるような私的財も、対価を支払わずに取得される。そのためしばしば先を争って採取されてしまい、枯渇することがある。地域の貴重な資源となっている場合には、このような枯渇を防ぐためにコミュニティで管理したり、採取のルールを定めたりしている。技術的に排除が可能な場合でも、そのための費用がかかりすぎる場合は実質的に排除が難しく、コモンプール財となる。
(吉田忠彦)