(上村知宏)
コ・メディカル
和製英語co-medicalであり、診療所や病院に働く人たちのうち、医師や歯科医師を除いた医療従事者のことである。もともとは、英語名であるparamedicで、これを訳したパラメディカルが呼称であるが、接頭語のparaには「補助」の意味が強いことから、1980年代に「協同」を意味するcoが適切との阿部正和東京慈恵会医科大学学長(当時)の提言があり日本で普及した。コ・メディカルには、看護師、保健師、助産師、薬剤師、臨床検査技師、衛生検査技師、臨床工学技士、放射線技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士、救急救命士、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師などが該当し、多くは国家資格、都道府県資格となっている。名称や対象範囲に法的な位置づけはないことから、メディカル・スタッフと呼ぶ場合や、歯科衛生士や歯科技工士などの歯科関係についてはコ・デンタルと呼ぶ場合、看護師および薬剤師についてはコ・メディカルに含めないなど、学会や施設などによりさまざまとなっている。医療の高度化・複雑化に伴い、診療行為に係る業務については、細分化・分業化がすすんでいるほか、他職種連携によるチーム医療により実施することが求められており、コ・メディカルの役割は大きくなっている。