国際疾病分類

 疾病や死因を国際的に統一した基準で分類したものである。正式名称は、疾病および関連保健問題の国際統計分類(ICD:InternationalStatistical Classification of Diseases andRelated Health Problems)といい、疾病、傷害および死因の統計の国際比較を可能にするために世界保健機関(WHO:World HealthOrganizaton)が作成している。1893年に国際統計協会が国際死因統計分類(TheBertillon Classification of Causes of Death)として作成し、1900年にICD-1が公表された。当初、ICDの対象は死因のみであったが、1948年に採択された第6回改訂版であるICD-6から疾病も含めるようになった。最新のものは2019年にWHO世界保健総会で採択されたICD-11であり、2022年に正式発効する予定である。ICDは、アルファベットと数字を用いたコードであらわされ、ICD-11の分類項目(コード)の合計は約1万8,000である。厚生労働省によると、日本では、統計法に基づく統計基準として、ICDに準拠した「疾病、傷病及び死因の統計分類」を公示し、公的統計(人口動態統計、社会医療診療行為別統計、患者調査等)において適用している。また、医学的分類として医療機関における診療録の管理等においても広く活用されている。
(井上祐介)