ゴールドプラン

 平成元(1989)年に高齢社会に備えて、厚生省・大蔵省・自治省(現厚生労働省・財務省・総務省)の3大臣による合意のもと策定された「高齢者保健福祉推進10か年戦略」の略称である。内容としては、在宅福祉事業の数値目標を立てて充実を図り、市町村が中心となって在宅サービスと施設サービスが計画的に提供できるよう市町村の役割が重視された。プランの期間としては、平成2(1990)〜平成11(1999)年までの10年間であった。その後、平成6(1994)年にゴールドプランが見直されて「新・高齢者保健福祉推進10か年戦略(新ゴールドプラン)」となり、基本理念として、①利用者本位・自立支援、②普遍主義、③総合的サービスの提供、④地域主義の4つが掲げられた。期間は、ゴールドプランの後半5年間のプランとして見直された。新ゴールドプランは、同年に制定された「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について(エンゼルプラン)」と翌年に策定された「障害者プラン〜ノーマライゼーション7か年戦略〜」とまとめて「福祉3プラン」と呼ばれている。日本の高齢化率が世界最高水準となるなかで、高齢者の保健福祉施策の充実を図るために新ゴールドプランに引き続き、新たに「今後5年間の高齢者保健福祉施策の方向(ゴールドプラン21)」が平成11年12月に発表された。期間としては、平成12(2000)〜平成16(2004)年度まである。プランの基本方針として、①活力ある高齢者像の構築、②高齢者の尊厳の確保と自立支援、③支え合う地域福祉の形成、④利用者から信頼される介護サービスの確立の4つを掲げている。さらに、今後取り組むべき具体的な内容には、①介護サービス基盤の整備、②痴呆性高齢者支援対策の推進、③元気高齢者づくり対策の推進、④地域生活支援体制の整備、⑤利用者保護と信頼できる介護サービスの育成、⑥高齢者の保健福祉を支える社会的基礎の確立が示された。
(小口将典)