高度先進医療

 厚生労働大臣が定める高度な医療技術を使用したものであり、現在は公的医療保険の対象ではないものの、将来的に保険の対象とすべきかどうかについて、有効性や安全性などの評価を行う療養(評価療養)の1つである。日本では、保険対象と保険対象外の診療の併用は認められていないが、先進医療の場合は併用が認められる。従って、保険対象外である先進医療に係る費用は全額自己負担となるが、それに伴う診察や検査など、一般保険診療の部分については保険適用が認められる。先進医療は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合する保険医療機関(病院・診療所など)において提供され、また、提供している保険医療機関は定期的な報告が必要となる。先進医療は、先端的な技術を使用し、保険適用外となることから、保険医療機関が先進医療を行う際には、治療内容や費用などについて患者に丁寧に説明し、患者は納得したうえで同意書に署名を行い、先進医療を受けなければならない。先進医療の種類(令和2年2月1日現在で87種類)は、先進医療A(人体への影響が極めて小さいなど)、先進医療B(重点的な観察・評価を必要とするものなど)があり、厚生労働省内に設置されている先進医療会議において、技術的妥当性や社会的妥当性の審査、実施後の評価などが行われる。その結果を踏まえて、保険の対象とするのか、引き続き先進医療として継続するのか、または取り消すのか、について決定される。
(酒井美和)