公告

 ある事項を広く一般公衆に知らせることをいい、非営利法人においては、その内部情報を広く外部に周知することをいう。法律で定められた公告を法定公告といい、定款で規定する方法で行うものと法令の規定で官報に掲載しなければならないものとがある。これらは一律ではなくおのおのの非営利法人を規定する法令等により定められている。一般社団・財団法人を規定している一般法人法では、貸借対照表の公告(大規模一般社団法人および大規模一般財団法人にあっては、貸借対照表および損益計算書)は定款で規定された方法で行い、合併時・清算時の債権者に対する公告は官報へ掲載する方法が規定されている。特定非営利活動法人について規定している特活法では、合併時の債権者に対する公告方法については、特活法での明示的な規定はなく、定款で規定した方法によることとなる。また、貸借対照表の公告については法人の規模にかかわらず貸借対照表のみ公告を行う。また、公告を定款で規定する方法についても、それぞれの非営利法人を規定する法令等により定められている。一般法人法では、公告方法としてつぎの方法のいずれかを定めることができる。①官報に掲載する方法。②時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法。③電子公告(インターネットに接続された自動公衆送信装置を使用するものによる措置)。④主たる事務所の公衆のみやすい場所に掲示する方法。特活法においても、貸借対照表の公告について、同様の方法によることが規定されている。なお、各公告方法の内容はつぎのとおりである。①官報に掲載する方法:法令など政府情報の公的な伝達手段である官報で公告する方法。②時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法:全国紙・地方紙にかかわらず、毎日発行される新聞紙のうち業界新聞等を除いたもので公告する方法。③電子公告:誰もがアクセスすることができるインターネット上のウェブサイトに一定期間掲載する方法。④主たる事務所の公衆のみやすい場所に掲示する方法:掲示板、出入口、カウンター等で誰でもみえると思われる場所に一定期間掲示する方法。さらに、電子公告については、公告の信頼性を維持するための措置として、各法令等で電子公告に関する定めがあり、一般法人法では以下のような内容が規定されている。①代替方法:事故その他やむをえない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、官報または日刊新聞紙に掲げる方法のいずれかを定款に定めることができる。②公告期間:電子公告により公告をする場合には、公告の区分に応じて一定期間、継続して電子公告による公告をしなければならない。③調査機関への調査委託:公告(貸借対照表等の公告を除く)を電子公告により行う法人は、公告期間中、一定の調査機関に対し、調査を行うことを求めなければならない。
(篠原 俊)