公共法人(法人税法)

 法人税法別表第1(公共法人の表)に掲げられている法人である(法人税法2⑤)。法人税法において内国法人は法人税を納める義務がある。しかし、公共法人は内国法人に含まれるが法人税を納める義務がない(法人税法4Ⅰ、Ⅱ)。国は法人税の課税権者であり、公共サービスを提供する主体であることから、当然に法人税の納税義務はない。国とは別の法人であっても、公共サービスを提供することを目的として国または地方公共団体により設立された法人は、公共サービスの提供主体であるという点で国と同様であることから、そのような法人を公共法人として区別して法人税の納税義務がないものとされた。たとえば、国により設立された独立行政法人、国立大学法人その他全国的な規模で公共サービスを提供する法人であり、地方公共団体および地方公共団体により設立された地方独立行政法人ほか地方における公共サービスを提供する法人である。別表第1に掲げられている公共法人は、以下のとおりである。沖縄振興開発金融公庫、株式会社国際協力銀行、株式会社日本政策金融公庫、港務局、国立大学法人、社会保険診療報酬支払基金、水害予防組合、水害予防組合連合、大学共同利用機関法人、地方公共団体、地方公共団体金融機構、地方公共団体情報システム機構、地方住宅供給公社、地方道路公社、地方独立行政法人、独立行政法人(その資本金の額もしくは出資の金額の全部が国もしくは地方公共団体の所有に属しているものまたはこれに類するものとして、財務大臣が指定をしたものにかぎる。)、土地開発公社、土地改良区、土地改良区連合、土地区画整理組合、日本下水道事業団、日本司法支援センター、日本中央競馬会、日本年金機構、日本放送協会。
(依田俊伸)