相続税に関しては、相続または遺贈により一定の公益法人等に対して財産が移転する場合で、その財産がその公益を目的とする事業の用に供することが確実な場合には、その財産の価額は相続税の課税価格に算入されない。同様に、贈与により取得した財産でその公益を目的とする事業の用に供することが確実なものについても贈与税の課税価格に算入されない。また、相続等した者が、その取得した財産をその取得後、当該相続税の申告期限までに、一定の公益法人等に対して贈与した場合にも、その贈与した財産の価額は相続税の課税価格に算入されない。一方で、その遺贈または贈与により、その寄附者の親族その他の特殊関係者の相続税または贈与税が不当に減少する結果となると認められる場合には、その受贈者たる公益法人等を個人とみなして相続税または贈与税が課税される。
(上松公雄)