公益法人制度改革関連三法

 一般法人法、公益認定法、整備法から構成される。明治29(1896)年に制定された民法による公益法人制度では、法人の設立と公益性の判断を主務官庁が行っており、法人の新規設立が難しい、「公益性」の判断基準が不明確、公益性を失った法人が混在しているなどの問題点が指摘されていた。こうした制度の抜本的改革のため、公益法人制度改革関連三法は、平成18(2006)年6月に公布、平成19(2007)年4月1日から第三者機関(公益認定等委員会)に関する部分を施行、平成20(2008)年12月1日から全面的に施行されている。新たな公益法人制度では、主務官庁の裁量による許可という仕組みを廃止、法人の設立と公益性の判断を分離して、一般社団・財団法人と公益法人という2つの法人類型を創設している。法人の設立は、一般法人法の定めに従い、準則主義(登記)により簡便に行われ、公益性の判断については、公益認定法の定めに従い、民間有識者からなる合議制機関の意見に基づき、内閣総理大臣または都道府県知事が一般社団・財団法人の公益性を認定する仕組みとした。一般法人法は、一般社団法人と一般財団法人の設立、機関等について定めたもので、総則、一般社団法人、一般財団法人、清算、合併、雑則、罰則の7章(全344条)と附則からなる。公益認定法は、公益法人による公益目的事業の適正な実施を確保するための措置等について定めたもので、総則、公益法人の認定等、公益認定等委員会および都道府県に置かれる合議制の機関、雑則、罰則の5章(全66条)と附則、別表からなる。整備法は、中間法人および旧公益法人から新制度の法人への移行手続ならびに関係諸法律の条文整備等について定めている。
(大貫 一)