公益法人会計基準に関する実務指針

 日本公認会計士協会の非営利法人委員会が、公益法人会計基準の平成16(2004)年改正を受けて公表してきた実務指針第28号「公益法人会計基準に関する実務指針」(平成17[2005]年6月13日)、第29号同(その2)(平成18[2006]年4月13日、最終改正平成20[2008]年10月7日)、第31号同(その3)(平成19[2007]年3月29日)、第32号同(その4)(平成20年3月25日)を改正したうえで統合したものとして、平成28(2016)年3月に実務指針第38号「公益法人会計基準に関する実務指針」が公表された。その後、平成28年12月および平成31(2019)年3月に改正されている。当該実務指針は、公益法人会計基準およびその運用指針に定められている公益法人に関する会計処理等について実務上の指針をQ&A方式により提供したものである。従って当該実務指針は、公益法人会計基準およびその運用指針を補完するものとして位置づけられている。当該実務指針では、法人類型ごとの適用する会計基準の明確化、過年度遡及修正会計基準、指定正味財産と一般正味財産、特定資産、金融商品会計基準(開示関係)、有価証券の評価とその会計処理、固定資産の減損会計、資産除去債務に関する会計基準、賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準、税効果会計等といった個別課題が取り上げられている。公益法人の観点から特有の会計処理が解説されているが、資産の評価等について企業会計基準の影響を大きく受けているといえる。
(齋藤真哉)