現物拠出

 寄付や拠出を行う際に、現金や預金ではなく、他の資産をもって行うことをいう。必要とされている資産や役務の提供の対価を、必要としている団体に代わって支払うことも含まれる。英語では、in-kind donationsやgiftsin kindという。公益法人会計基準(平成20[2008]年4月)では、現物拠出によって取得した資産については、「第3 資産の貸借対照表価額」の項において「交換、受贈等によって取得した資産の取得価額は、その取得時における公正な評価額とする。」としている。NPO法人会計基準(平成22[2010]年7月)では、「Ⅶ NPO法人に特有の取引等」において「現物寄付の取扱い」で「受贈等によって取得した資産の取得価額は、取得時における公正な評価額とする。」としている。現物拠出によって受贈した資産について、正味財産増減計算書や活動計算書等に計上することになるが、その金額については、会計基準では、「公正な評価額」と表現しているが、実務上、製造原価、仕入価格、市場での販売価格などがある。
(早坂 毅)