クラウドファンディング

 インターネットを通じて不特定多数の人から広く資金を調達する方法である。クラウドファンディングという用語はクラウド(crowd:群集)とファンディング(funding:資金調達)を組み合わせた造語である。クラウドファンディングは、その形態によって、主に寄付型、投資型、融資型、購入型の4つに分類することができる。寄付型とは、震災や自然災害の復興支援など、提供された資金は全額寄付され、資金提供者へのリターンは行われない。投資型とは、実現したいアイデアや事業計画等をもった者が、それを実現にするためにプロジェクトを立ち上げ、必要な資金提供を求める場合などに利用される。資金提供者はプロジェクトからえられた利益から配当を受け取ることができる。融資型とは、資金提供者から小口で提供される資金をまとめて融資を受ける仕組みである。資金提供者は元本の返済と利息を受け取ることができる。融資型は金融取引となるため「貸金業法」「金融商品取引法」等の規制を受ける。購入型とは、製品やサービスの開発プロジェクトのために資金提供を受け、完成した製品やサービスを資金提供者に還元する方式である。購入型は、その実行に際して「All or Nothing型」と「Allin型」に区分される。「All or Nothing型」は、調達目標とした金額が達成された場合にのみ、資金を受け取ることができ、実際にプロジェクト等が実行される。目標金額に達しなかった場合は、投資はキャンセルされ、プロジェクトは実行されない。「All in型」は、調達目標金額の達成にかかわらず、投資された資金を受け取り、プロジェクトが実行される。クラウドファンディングは、インターネットの普及によりその市場は拡大している。一般の人々が自ら情報発信できる環境が整ったこともあり、個人や中小事業者、ベンチャー企業にとっての新たな資金調達手段となりつつある。また資金提供者も投資を身近に感じ、自らが投資した活動について興味をもって見守ることができるメリットがある。
(阿部 仁)