組合会計(中小企業協同組合)

 中協法および中小企業団体の組織に関する法律(昭和32年法律第185号)、商店街振興組合法(昭和37年法律第141号)を根拠とする各種組合を対象とした会計を、組合会計と呼ぶ。具体的な組合としては、中小企業等協同組合(事業協同組合、事業協同小組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合)および中小企業団体中央会、協業組合、商工組合、商工組合連合会、商店街振興組合および商店街振興組合連合会を対象としている。これらの各種組合は、基本的に組合員は中小企業者等であり、その相互扶助ないしは協同して経済事業を展開することでそれらの事業そして国民経済の健全な発展に資することを目的として設立される。組合会計は、これらの各種組合に求められる会計の総称である。これら各種組合に対しては、事業報告書ならびに決算関係書類の作成が求められている。決算関係書類とは、財産目録と貸借対照表、損益計算書、剰余金処分案または損失処理案を指す。それぞれ組合における会計処理等についてはそれぞれの施行規則で定められているが、それら省令の規定には含まれていない組合特有の会計処理等については、中小企業組合会計に関する社会的規範として、昭和27(1952)年10月に中小企業庁により「中小企業等協同組合経理基準」が制定され、その後、継続的に政府指定事業の一環として全国中小企業団体中央会においてその内容の一部改訂が行われ、現在「中小企業等協同組合会計基準」と表題が変更されている。また、各種組合の事務局で勤務する役職員にとって職務遂行上必要と考えられる知識に関する試験となる中小企業組合検定試験のなかに、「組合制度」、「組合運営」と並んで「組合会計」の科目が設けられている。「組合会計」では、既述の各種組合にかかわる会計処理や事業報告書・決算関係書類、管理会計領域、監査制度や税務も範囲とされている。
(齋藤真哉)