組合員資本(農協)

 農業協同組合の貸借対照表における純資産の部の区分の1つである。貸借対照表上の資産の額から負債の額を控除した額が純資産である(農協法施行規則199)。純資産は、「組合員資本」と「評価・換算差額等」に区分される(農協法施行規則98Ⅰ)。「組合員資本」は、(1)出資金(農協法13)、(2)未払込出資金(農協法施行規則98Ⅱ)、(3)回転出資金(平成28[2016]年に廃止されているが令和2[2020]年までは経過措置あり)、(4)資本準備金(農協法51Ⅲ、Ⅳ)、(5)再評価積立金(資産再評価法102、昭和25年法律第110号)、(6)利益剰余金①利益準備金(農協法51Ⅰ、Ⅱ)、②その他利益剰余金a.任意積立金(農協法51Ⅶ)、b.当期未処分剰余金または当期未処理損失金(当期剰余金または当期損失金を付記する)(農協法51Ⅶ)、(7)処分未済持分(農協法20Ⅰ)の各項目に区分される(農協法施行規則98Ⅱ)。これは組合員から農協に対して持分の譲渡が行われた場合に用いられる科目であり、純資産の部にマイナス記載される。また、「評価・換算差額等」は資産・負債に係る評価差額が当期の損益に反映されない場合、純資産の部に計上される区分であり、(1)その他有価証券評価差額金、(2)繰延ヘッジ損益、(3)土地評価差額金(「土地の再評価に関する法律」平成10年法律第34号)の各項目に区分される。評価・換算差額等は税効果会計を適用したうえで、純資産の部に計上されるための科目である。
(白土英成)