組合員資本

 法人企業のうち、営利法人と公益法人の中間的な存在である協同組合の貸借対照表における純資産の部の主要部分であり、組合員の出資した金額と過去の増加分との合計である。中協法における事業協同組合の組合員が出資した金額は出資金と資本剰余金であり、過去の蓄積は利益剰余金である。つまり、組合員資本は、出資金、資本剰余金、利益剰余金、の3項目から構成されている。組合員1名あるいは1社の出資限度額は、総額の25%までであり、組合員は出資額の多寡にかかわらず、1人1票の議決権を有している。利益剰余金の配当基準は、事業利用分量配当と出資配当とである。事業利用分量配当は、組合員が組合事業を利用した分量に応じて事業利益を還元する配当である。原則は事業利用分量配当であるが、出資配当を実施する場合の配当限度額は、出資の10%である。組合からの脱退時には、組合財産の増加分を考慮した持分払戻方法が用いられる。このため、新規加入者は既存組合員との公平を期すため、1口の出資額の他に、組合財産増加分を考慮した組合加入金を出資することになる。組合加入金は資本剰余金に計上される。また、利益剰余金には、教育情報費用繰越金、組合積立金が計上される。
(渡邊桂子)