QUANGO

 Quasi – Autonomous National GovernmentalOrganizationの接頭語をとった用語である。一義的には、政府の設立した特殊法人を指す。主としてイギリスでよく使われる用語であり、イギリスでは、別称として、NDPB(Non-Departmental Public Bodies)と呼称されることが多い。形態としては、政府機関としての位置づけをもちながらも、自由度の高い独立した組織(NGO)としての色彩ももつ。日本においては、政府の特殊法人、独立行政法人、場合によっては、行政が出資した外郭団体などがQUANGOに該当する。これらは、政府から独立した組織形態をとりながらも、政府と一体となった活動を行っており、政府からの職員派遣、天下りなどが行われているケースが多い。形式的には独立している形態をとりながらも、実質的には、政府機関の外縁をなす組織と捉えることができる。イギリスにおいては、保守党のサッチャー政権時の1980年代に中央政府のエージェンシーとして多くのQUANGOが設立され、労働党が基盤をもつケースの多い地方自治体に対抗するために設立された経緯がある。日本においては、特殊法人は2000年代に入ってからの行政改革で整理統合が行われた。狭義の非営利組織の定義からは、非政府組織とはいえず、中央・地方政府のエージェンシーとして捉えることが妥当である。
(金川幸司)