業績評価(会計)

 活動を通して成し遂げた成果を評価することである。組織は何らかの目的をもって設立され、その目的を達成するべく活動する。そのため、組織の活動の成果を評価する、つまり組織の業績評価を行うことは、組織の存立の意義を問ううえで欠かせない行為である。また、組織が、人のように権利や責任、義務を有して活動できるのは、これらが社会のなかで制度的に認められているからである。従って、業績評価を行い、これを公表することで社会的信認をえることは、組織存続のために欠かせないことでもある。営利組織においても非営利組織においても、その活動が、資源を投入し(インプット)、その成果をえるという流れで行われることに変わりはない。そして、組織と活動の発展・継続を図るには、非営利組織も営利組織と同様に、費用対効果や競争優位、運営効率を追求しなければならない。だが、営利組織と非営利組織では、その成果となる対象が異なっている。すなわち、資本の維持・増殖が目的である営利組織においては、活動の結果(アウトプット)である資本の増減をたんに評価するだけでよい。しかしながら、社会的使命(ミッション)の達成が目的である非営利組織においては、活動の結果だけでなく、その結果のミッション達成への貢献度(アウトカム)も問われなければならない。この「ミッション・ベースト」の姿勢は、非営利組織の活動全体を通して貫かれなければならない。従って、業績評価においては、アウトカムを評価するという視点が強く求められる。むろん、価値理念であるミッションに基づく評価は容易ではないが、そのための努力は続けられており、監査等の制度化もすすんでいる。設定した最高水準との比較によって評価するベンチマーキングや、財務情報だけでなく非財務情報の評価も組み込んだバランスド・スコアカードなど、もともと営利企業を対象に開発された評価手法の適用も行われている。
(村田大学)