行政委託型法人

 特定の法令等により、各官庁から制度的に事務・事業の委託等、推薦等を受けている公益法人の総称である。平成12(2000)年12月に閣議決定された「行政改革大綱」において「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革」が掲げられ、行政委託型法人が行政改革の対象として取り上げられることとなった。「行政改革大綱」では、行政委託型法人の事務・事業については、官民の役割分担および規制改革の観点から厳しく見直したうえで、今後とも国の関与が必要とされるものについては国自らが行いまたは独立行政法人に行わせることとし、これ以外のものについては、当該事務・事業に対する国の関与は廃止するなどの措置を講じると示された。そして「行政改革大綱」を受けて平成14(2002)年3月に「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」が閣議決定された。当計画に基づき、委託・推薦等に係る事務・事業の廃止や、登録機関(一定の要件を備え、行政の裁量の余地のない形で国により登録された公正・中立な第三者機関)による実施への移行などの改革が行われている。これらの改革により、行政委託型法人に対する国の関与のあり方は相当程度改善されたが、一連の見直しの後も、国の委託・推薦等を受けて検査等を行う法人は引き続き存続している。
(小野英一)