共済事業

 生活を脅かすさまざまなリスク(たとえば死亡、傷害、疾病、火災、自然災害、自動車事故など)に対して、団体と構成員が「共済契約」を結び、あらかじめ一定の掛け金を拠出して、団体の財産を準備しておき、不測の事故が生じた場合に団体が構成員に共済金を給付することによって、構成員の経済的な損失を補うことで生活の安定を図る相互扶助(共済活動)事業をいう。この共済事業には、法律の根拠のある制度共済事業のほか、特別法による共済事業や保険業法により保険業の免許等が不要とされる一定の団体の共済事業がある。制度共済事業の根拠となる法律としては、農協法、水協法、生協法、中協法などがある。また特別法による共済事業としては、小規模企業共済法(昭和40年法律第102号)、中小企業倒産防止共済法(昭和52年法律第84号)、中小企業退職金共済法(昭和34年法律第160号)、農業保険法(昭和22年法律第185号)、漁業災害補償法(昭和39年法律第158号)、独立行政法人日本スポーツ振興センター法(平成14年法律第162号)、社会福祉施設職員等退職手当共済法(昭和36年法律第155号)による共済事業がある。保険業法により保険業の免許等が不要とされる一定の団体の共済事業としては、見舞金程度の支給にとどまる場合や、特定の者を対象としている場合など、地方公共団体が住民を相手方に行う交通災害共済や企業、学校、労働組合、町内会などがそれぞれの団体内で行う共済事業などがある。
(髙山昌茂)