教育情報費用(中小企業協同組合)

 事業協同組合で、組合員の事業に関する経営および技術の改善向上または組合事業に関する知識の普及を図るための教育および情報の提供に関する事業を行うものは、その事業の費用に充てるため毎事業年度の剰余金の20分の1以上を法定繰越金または教育情報事業繰越金として翌事業年度に繰り越すことが求められている(中協法58Ⅳ)。教育情報事業はその受益者たる組合員にその費用を負担させる方法も考えられるが、中協法は協同組合の健全な発展のために教育情報事業を活発化することが望ましいとの立法趣旨から、剰余金の一部を充当するものである。
 「教育情報費用繰越金」の勘定処理は、通常総会の日付でつぎの仕訳がなされる。
 (借)未処分利益剰余金  ×××
  (貸)教育情報費用繰越金  ×××
 翌期中の処理については、以下の2つの処理方法がある。
①戻し入れ処理
 (借)教育情報費用繰越金 ×××
  (貸)教育情報事業費    ×××
②期末に全額戻入
 (借)教育情報費用繰越金   ×××
  (貸)教育情報費用繰越金戻入 ×××
 なお、教育情報費用繰越金戻入は、税務計算上、益金に算入されないので法人税の所得計算上、確定申告書別表4で減算する必要がある。
(境 裕治)