キャッシュ・フロー計算書

 一会計期間におけるキャッシュの状況を活動区分別に明瞭に表示することを目的として作成される計算書である。すなわち一会計期間の活動を業務活動(公益法人では事業活動)、投資活動、財務活動に区分し、それぞれの活動に係る収入と支出の内容を記載し、増減の状況や残高を明らかにするものである。日本の非営利会計において、財務諸表の体系のなかで「キャッシュ・フロー計算書」が明確に位置づけられているものとしては、公益法人会計基準、国立大学法人等会計基準、病院会計準則などがあげられる(医療法人会計基準では注記表の一部として位置づけられている。)。キャッシュ・フロー計算書が測定の対象とする「キャッシュ」とは、公益法人では「現金および現金同等物」、国立大学法人では「手許現金および要求払預金」、病院会計準則では「現金および要求払預金ならびに現金同等物」とされている。各会計基準で、資金の範囲に現金同等物(取得日から満期まで3か月以内の定期預金といった、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資)を含むかどうかに差異がみられる。
(坂元英毅)