基本財産は、公益法人会計基準上、貸借対照表の固定資産における基本財産の区分に表示される(公益法人会計基準注解・注4)。一般社団法人には基本財産に関する法令上の定めはないが、公益社団法人として不可欠特定財産がある場合には、貸借対照表上、基本財産として表示される(公益認定等ガイドラインⅠ-15)。社会福祉法人では、基本財産は法人の定款が基本財産と定めるものであり、法人存立の基盤となるものである。処分または担保に供する場合には、原則として所轄庁の承認を受けなければならない旨が定款に明記される必要がある(社会福祉法人審査基準第2、2⑴)。社会福祉施設を経営する法人は、すべての施設についてその施設の用に供する不動産は基本財産とすることが定められている。社会福祉協議会および共同募金会を除く社会福祉施設を経営しない法人は、原則として1億円以上の資産の基本財産としての保有が規定されている。社会福祉協議会および共同募金会は300万円以上に相当する資産の基本財産としての保有が定められている。基本財産は元本が確実に回収できる、固定資産としての常識的な運用益がえられ、または利用価値を生ずるなど、安全、確実な方法での管理運用が要請されており、株式などの価格変動の著しい財産、美術品などの客観的評価が困難な財産などでの管理運用は適当でないとされている(社会福祉法人審査基準第2、3⑴)。基本財産は社会福祉法人会計基準上、貸借対照表の固定資産における基本財産の区分に表示される。
(尾上選哉)