基金(一般社団)

 一般法人法の規定により一般社団法人に拠出された金銭その他の財産であって、当該一般社団法人が拠出者に対して同法および当該一般社団法人と拠出者との間の合意の定めるところに従い返還義務を負うものである(一般法人法131)。基金の制度は一般法人法において、一般社団法人および公益社団法人に認められている資金調達の手段であるが、その採用を義務づけられているわけではない。このため基金を募集するためには定款で基金に関する定めをあらかじめ設けておく必要がある。なおこの「基金」の募集を行うためには、定款に「基金を引き受ける者の募集をすることができる旨」のほか、「基金の拠出者の権利に関する規定」および「基金の返還の手続」を定めることが必要とされている(一般法人法131)。また基金の性質としてつぎの3点があげられる。①経理処理について基金の総額および代替基金は貸借対照表の純資産の部(純資産を示す適当な名称を示したものを含む。)に計上しなければならない(一般法人法施行規則31)。基金は、引き受けて拠出した者に対して返還義務がある一種の負債であるが、会計基準上はこれを純資産ないし正味財産として扱う。②基金の返還は、拠出額(金銭以外の財産が拠出された場合は拠出時の評価額)を限度とし、かつ、基金の返還に係る債権には利息を付すことができない(一般法人法131、143)。さらに返還の際は、返還する金額に相当する代替基金を貸借対照表の純資産の部に計上する必要がある。③一般社団法人が破産手続開始の決定を受けたとき、基金の返還に係る債権は破産法99Ⅰ(平成16年法律第75号)に規定する劣後的破産債権および同法99Ⅱに規定する約定劣後破産債権に後れる(一般法人法145)。なお、一般社団法人の議決権との関係でいえば、基金の拠出者の地位は、一般社団法人の社員たる地位とは結びついていないため、社員が基金の拠出者となることも可能であるし、社員が基金の拠出者とならないこともできるとされている。
(東葭 新)