(小島廣光)
企業財団
企業が継続的に公益事業を行うために設立した財団法人である。企業財団は、1つないし複数の企業がまとまった寄付を行い、その財を基金として設立され、さまざまな公益事業を行う。このような公益事業を行う企業財団は、①自ら公益事業を行う事業財団と、②自らは公益事業を行わず助成金や表彰を行う助成財団とに大別される。このうち②の助成財団のプログラムとしては、研究費の助成、奨学金の助成、非営利組織・芸術・国際交流への助成等がある。企業財団は、多くの場合、公益財団法人の法人格を有している。その収入源は、基金の運用益や、新たな寄付収入(当該企業の自社株の受入れを含む。)などである。運営に関しては、事務局に当該企業の出向者を受け入れたり、設立後も管理費や事業費を当該企業に依存したりして、当該企業から支援を受けている企業財団も少なくない。アメリカでは、大型の企業財団が設立されるようになったのは20世紀に入ってからであり、フォード財団、ロックフェラー財団、カーネギー財団などが有名である。他方、日本では1960年代から本格的に設立されるようになり、毎日新聞大阪社会事業団、トヨタ財団、サントリー文化財団などが有名である。