監査(社福)

 監事監査と、一定規模を超える法人に義務づけられる会計監査人監査の2つがある。いずれも経営組織のガバナンス強化と事業運営の透明性の向上に大きな役割を果たす。監事は2名以上(社福法44Ⅲ)で、その選任・解任は評議員会の決議による。監事は、理事の職務執行および計算書類等の監査を行い、監査報告を作成する。監事は理事、評議員、職員との兼任は認められず、役員の親族等が務めることは禁止される。監事には社会福祉事業について識見を有する者、財務管理について識見を有する者が含まれなければならない。監事には、理事の職務執行を監査するために各種の権限(理事・職員に対し事業の報告要求、業務・財産の状況調査、法人に著しい損害が生じるおそれがあるときに、理事の行為の差止め請求、会計監査人の解任)が付与されている。一方、会計監査人監査は平成28(2016)年3月成立の「社会福祉法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第21号)で平成29(2017)年度4月1日以降に開始される会計年度から収益30億円を超える法人または負債60億円を超える法人に導入された。会計監査人は、公認会計士または監査法人でなければならず(社福法45の2Ⅰ)、計算書類等の監査を行い、会計監査報告を作成する。会計監査人は、評議員会の決議により選任される。会計監査人は計算書類等の監査を行うために、会計帳簿等の閲覧・謄写、理事・使用人に対し会計に関する報告要求を行うことができ、また、会計監査人の出席を求める決議があったときは、定時評議員会に出席して意見を述べなければならない。法定監査導入当初は、監査対象範囲が段階的に引き下げられる予定(令和元[2019]年度から収益20億円超または負債40億円超)であったが見送られた。今後、厚生労働省は、平成29年度以降の会計監査を実施したすべての社会福祉法人を対象とした調査および収益10億円超または負債20億円超の法人を対象とした調査を実施し、法定監査の対象範囲の拡大方針について再検討する予定である。
(石田晴美)