解散

 法人その他の団体が、その目的とする活動をやめ、財産関係を整理し、清算を行う状態に入ることをいう。非営利の法人その他の団体も解散事由が生じると解散となるが、法人の場合は、その設立の根拠法に解散事由が規定されている(一般法人法148、202、特活法31等)。法人が解散すると、その法人格は清算手続が終了するまで清算目的の範囲内で存続する。法人格のない団体の場合は、定款、規約など団体の設立に関する基本的な規定等に定められた解散事由が生じたことをもって解散となる。非営利法人の解散事由は、一般社団法人(社団)と一般財団法人(財団)に共通のものは、①定款所定の存続期間満了、②定款所定の解散事由の発生、③合併により法人消滅となる場合、④破産手続開始決定、⑤解散命令判決(一般法人法261①)、⑥解散訴訟の判決(同法268)であり、社団では、⑦社員総会の決議、⑧社員の欠亡、財団では、⑨基本財産の滅失その他の事由による目的事業の成功不能が規定されている。NPO法人の場合には、上記②、③、④、⑦、⑧および⑨の事業の成功不能が解散事由とされ、⑩設立認証の取消しもNPO法人では解散事由となっている。これら解散事由のうち①から③および⑦から⑨は、法人の自律的な事由による解散といえるが、④から⑥は裁判所により、⑩は所轄庁により強制的に法人が解散させられる事由である。非営利法人が解散となると、理事または定款で定めた者が清算人に就任し、清算手続に入る(一般法人法206、特活法31の4〜8)。清算人が行う事務処理(清算手続)は、①現務の結了、②債権の取立ておよび債務の弁済、③残余財産の引渡しである(一般法人法212、特活法31の9)。清算人は目的事業を終了させ、財産の換価を行い、債権者に対し最低2か月以上の期間を定めて債権の申出を催告し、申出債権者に弁済を行う(一般法人法233〜235、特活法31の10、11)。期間内に申出をしなかった債権者は清算から除斥される(一般法人法238、特活法31の10、11)。弁済後に残余財産があれば定款に規定された者に帰属し、定款に規定がない場合は、清算法人の社員総会または評議員会の決議によって定める。それでも帰属が決まらない場合は国庫に帰属する(一般法人法239、特活法32)。残余財産の帰属者への引渡しは清算人が行う。清算が終了すると清算人は、決算報告を作成し、社員総会または評議員会の承認をえて、清算結了の登記申請を行う必要がある(一般法人法240、241、310)。特活法では所轄庁に対し、清算結了の届出が必要である(特活法32の3)。清算結了によって、法人格は消滅する。
(齋藤雅弘)