介護

 明治25(1892)年陸軍傷痍軍人の恩給に関連して介護用語が法令に示され、昭和36(1961)年児童扶養手当法施行令(昭和36年政令第405号)において身体障害の程度により公的な給付対象者を特定する用語として使用された。昭和38(1963)年老人福祉法の制定によって、「常時介護を必要とする」とされ、高齢者や障害者の身の回りの世話を「介護」と示された。寝たきり老人など1人で動作できない人に対する食事、排便、寝起きなど、起居動作の手助けを「介助」といい、疾病や障害などで日常生活に支障がある場合、介助や身の回りの世話(炊事、買い物、洗濯、掃除などを含む)をすることを「介護」という。昭和62(1987)年社会福祉士及び介護福祉士法により「身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき、入浴・排せつ・食事その他の介護」と示し、介護を専門職とする介護福祉士は国家資格として確立された。平成12(2000)年介護保険法では、尊厳を維持し自立支援をもとに総合的介護サービスを行う目的で実施された。平成17(2005)年第2期改正において介護予防を重視(要支援者への給付を介護予防給付に)し、介護予防ケアマネジメントの役割を地域包括支援センターが担い、介護予防事業、包括的支援事業等の地域支援事業を行う。介護予防は、高齢者の要介護状態等となる予防や要介護状態等の軽減・悪化防止を目的として、高齢者の運動機能や栄養状態など心身機能の改善と日常生活の活動を高め、家庭や社会参加の促進と、生きがいや自己実現のための取り組みを支援して、生活の質の向上を目指し、社会の求める超高齢化のニーズを充実するものとなる。
(加藤友野)