会計監査人設置組合(農協)

 会計監査人を置く出資組合のことである(農協法37の2Ⅲ)。農協法に基づき、一定の規模を超える組合等は全国農業協同組合中央会による監査が実施されていたが、平成28(2016)年4月1日「農業協同組合法等の一部を改正する等の法律」(平成27年法律第63号)が施行され、信用事業を行い、一定金額(200億円)以上の貯金および定期預金の合計額を有する農業協同組合(JA)および一定金額(200億円)以上の負債を有する農業協同組合連合会に対し、会計監査人による監査(農協法37の2ⅠまたはⅡに基づく監査)が導入された。公認会計士による会計監査は令和元(2019)年10月1日より義務づけられた。これは、JAと同じ金融機関と位置づけられている信用金庫・信用組合に対して公認会計士による会計監査がすでに義務づけられていたことから、同じ金融業務に対する会計監査に対するイコールフッテイングの観点を重視し、公認会計士による会計監査に一元化したものである。会計監査人設置組合は、組合員および債権者の閲覧に供される計算書類等(貸借対照表、損益計算書、剰余金処分案または損失処理案、注記表およびその附属明細書)を通常総会に提出し(農協法36Ⅱ、Ⅷ)、さらに、行政庁へ提出する業務報告書を作成することが義務づけられている(農協法54の2)。また、信用事業または共済事業を行う組合にあっては公衆の閲覧に供するための説明書類を作成する(農協法54の3)。会計監査人設置組合で会計監査人による会計監査の対象となるのは計算書類等のみであり、業務報告書および説明資料は会計監査の対象からは除かれている(農協法37の2Ⅲ、農協法施行規則148)。
(白土英成)