会計監査人

 会計に関する書類を監査する職業的専門家である。会計監査人による会計監査は、営利組織体(たとえば会社法が対象とする会社)以外に、非営利組織体においても行われる。なぜなら非営利組織体とはいえ、営利組織体と同様に、利害関係者への影響があると想定される場合には、利害関係者の意思決定に有用な財務情報の提供を行うために、財務情報の信頼性を担保するべく、独立した立場の第三者による外部監査が求められるためである。特に一定の規模以上の非営利組織体については、会社法における規定と同様に、会計監査人による会計監査が義務づけられている(たとえば社会福祉法人、公益法人、学校法人、生活協同組合、医療法人などは、いずれも法令において会計監査人による法定監査制度に関する規定がある。)。また財務諸表の信頼性の向上や情報開示の適正性を担保する目的で、法定監査の要件の規模に満たない非営利組織体においても、会計監査人による外部監査を任意監査として行いうる。会計監査人は、欠格事由に該当しない公認会計士または監査法人でなければならない。また会計監査人は、総会あるいは評議員会等において選任される。さらに会計監査人は、いつでも、総会あるいは評議員会等の決議で解任することができる。なお会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時の総会あるいは評議員会等の終結の時までである。
(佐久間義浩)