日本のNGOを会員とする国際協力NGOセンター(JANIC)では、「貧困、飢餓、環境など、世界的な問題に対して、政府や国際機関とは違う民間の立場から、国境や民族、宗教の壁を越え、利益を目的とせずにこれらの問題に取り組む団体」をNGOと定義している。こうした日本の国際協力NGOは現在約400団体が存在しているといわれており、1970年代から増加し始め、1990年代に設立された団体がもっとも多い。活動地域はアジアが約7割を占めており、全体としての活動分野で多いのは、教育・職業訓練や環境、農業・漁業・開発、保健・医療であるが、特に海外事業では「資金支援」「人材育成」が、また国内事業では「情報提供」「地球市民教育」が多数を占め、普及啓発にかかわる事業が多い。近年、NGO自身の変化とともに開発政策の変化や開発分野の構造的変化がすすんでおり、こうした変化は国際協力NGOの存在意義と役割が今後さらに問われる状況になる。なお、日本に本部のあるNGOとしては、財団法人アジア刑政財団、特定非営利活動法人AMDA(Association of Medical Doctors ofAsia)、オイスカ インターナショナル、以上3団体の国連登録が確認されている。
(渡辺勝也)