医療的ケア

 厚生労働省提示の定義は「医師・看護師の指導の下で、非医療職が行う喀痰吸引と経管栄養」とされ、看護師や保護者が日常的・応急的に行っている経管栄養、たんの吸引等の医行為である。平成24(2012)年より、看護師等以外の免許を有しない者も、「日常生活に必要とされる医療的な生活援助行為」として医療行為中、たんの吸引等5つの特定行為(口腔内の喀痰吸引・鼻腔内の喀痰吸引・気管カニューレ内の喀痰吸引・胃ろうまたは腸ろうによる経管栄養・経鼻経管栄養)にかぎり研修を修了し、都道府県知事に認定された場合に「認定特定行為業務従事者」として、一定の条件のもとで制度上実施可能となった。特別支援学校では、看護師等を配置し主治医等の指示書のもと、看護師等を中心に教育委員会の管理体制のなかで学校長、教員や保護者等と連携協力し体制整備のうえ特定行為として実施となった。さらに、介護保険法等一部法改正により、平成27(2015)年度以降は介護福祉士がその業務として喀痰吸引等を行うことが可能となり、介護福祉士養成施設の養成課程において、医療的ケアに関する教育内容が50時間加わった。現場職員では喀痰吸引等研修は医療行為を行う対象者(不特定多数や特定)により研修内容が変わる。研修は基礎研修・実地研修に区別され修了証を交付されるが、実地研修終了が医療的ケアの資格取得となる。現在、養成校では卒業時に基礎研修終了が多く、就職後現場で実地研修を受講する状況が多い。
(加藤友野)