一方、NPOが政府の政策策定とサービス提供において補充(代替)や補完(協働)の機能を担うだけでなく、政府に対し対抗(敵対)的な存在としてアドボカシー活動を強めるならば、政府はNPOのアドボカシーを制限し、NPOを管理、統制しようとして両者の間に緊張が高まる。税控除される寄付や政府の資金を受けている団体によるアドボカシー活動に対する規制(政策)の当否については、今日でもさまざまな形で争点化する。政府がNPO政策として適切な税制を構築する必要性と、社会において民主的な市民参加型の制度機構を確立し保持すべき要請の両立が図られる必要がある。
(初谷 勇)