開発援助

 開発途上国への開発における援助である。おもに、国から国への政府開発援助(ODA)と非政府組織(NGO)による民間によるものとに大別される。政府開発援助は受け入れ側の開発途上国の政治情勢が不安定だったり、政府関係者や役人による横領が起こったり、物資の公平な配分が難しかったりという問題があったため、支援側政府は援助のための資金を開発途上国の状況に詳しく、開発援助をミッションとするNGOに託す割合を増やすようになった。これによって開発援助を行うNGOのなかには事業規模や組織を拡大するものがあった。開発援助の具体的内容としては、紛争地域や災害被災地での緊急援助活動、飢餓への支援などのほかに、水利開発援助、農業指導、識字教育、保健・衛生教育などがある。また、ただ一方的に援助するだけでは、援助を受ける人々がいわゆる援助漬け状態になってしまうため、現地の人々が自立するように指導することが意識されるようになった。
(吉田忠彦)