ドナーピラミッド

 寄付募集などのファンドレイジングにおいて、戦略的なファンドレイジングを行う際に活用される考え方である。既存寄付者・潜在的寄付者をピラミッド型に階層分けして、位置づけを整理する。たとえば、遺贈寄付者や大口寄付者など、団体との関係が深かったり金額が高かったりする寄付者をピラミッドの上位階層に位置づけ、マンスリーサポーターなどの継続寄付者を中位(中核)に位置づける。単発寄付者や、まだ寄付を行ったことのない潜在的寄付者をピラミッドの下位(裾野の部分)に位置づける。多くの寄付者は、潜在的な寄付者層だった人が、初めは単発の(1回目の)寄付者から始まり、団体側からの働きかけに応じて複数回の寄付をしたり、継続的寄付者になったりして、中核となる寄付者層を形成する。さらに、中核の寄付者層から、上位の大口寄付者や遺贈寄付者になったりする人も出てくる。また、そうなっていくように、団体側は丁寧に寄付者にコミュニケーションをとったり、各層の寄付者に対してドナーピラミッドの上位にステップアップしていくような働きかけを行ったりすることが大切である、という考え方を概念化したものである。また、新規の寄付者を発掘するよりも、寄付の継続を確実にしてもらう方が時間的・金銭的なコストは少なく済むともいわれ、ステップアップを促すだけでなく、継続をしてもらう働きかけも重要とされる。
(河合将生)