公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律

 第164回国会で成立した法律で、一般法人法、整備法とともに、公益法人制度改革関連三法の1つである。一般法人法に基づき法人格を取得した一般社団・財団法人に対して、国にあっては内閣府の公益認定等委員会、地方にあっては合議制の委員会の判断に基づき、認定されることを骨格とした法律である。公益認定等委員会に関する部分は平成19(2007)年4月1日から先行的に施行され、平成20(2008)年12月1日に全面施行となった。社会・経済情勢の進展を踏まえ、民間の団体が自発的に行う公益を目的とする事業の実施を促進することが重要となったことから、平成14(2002)年3月29日「公益法人制度の抜本的改革に向けた取組みについて」が閣議決定された。当初はNPO法人も含んだ法律となる予定であったが、特活法は温存された。設立の許可およびこれらに対する監督を主務官庁の裁量により行うこととしていた従来の制度を改め、公益の認定基準を明確にして、公益社団・財団法人に対する立入検査、勧告および命令、公益認定の取消し等の行政庁の監督上の措置についても明確に規定した。いわゆる収支相償、公益目的事業比率、遊休財産規制の財務三基準をはじめ、法令で示された者に対して特別の利益の供与をしないことなどの公益認定基準に基づき認定することとなった。公益目的事業財産という概念がつくられ、仮に取消しがあっても公益目的取得財産残額に相当する額が公益に使用されることが担保されたことから税制上の優遇措置も採用されるようになった。また、国民への情報提供や罰則等について所要の規定を設け、社会監視の体制も整備している。衆参両院ともに、法律の成立に際しては「公益認定等委員会の運営に関しては、その重要性にかんがみ、中立性・独立性に配意するとともに、専門的知見に基づく判断を可能とするよう、その構成等に万全を期すること」等の付帯決議が付けられた。
(出口正之)