
組織に属さず働くフリーランスを保護するためのフリーランス新法が、本年4月28日の参議院本会議において可決・成立した。フリーランスの取引適正化と就業環境整備を目的に設けられた規制は、契約条件の明示義務や委託事業者の禁止行為など多岐にわたる。違反行為には公正取引委員会等による助言、指導、報告徴収・立入検査、勧告、公表、命令が行われるため、フリーランスを活用して事業を行っている公益・一般法人は新法施行に向けた対応が必要となる。施行は公布から1年6か月以内を予定されている。以下に、弁護士の梅本寛人氏のコメントを掲載する(編集部:佐藤達彦)。
「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」いわゆるフリーランス新法が、本年4月28日の参議院本会議において可決・成立しました。
新法は、特定受託事業者(フリーランス)と発注者(特定業務委託事業者)との業務委託取引の適正化とフリーランスの就業環境の整備を図ることなどを目的としています(新法第1条)。
そこで、フリーランスに業務委託をする事業者(新法では「特定業務委託事業者」と表現)に様々な規制が設けられることとなりました。まず、フリーランスとの業務委託取引の適正化のため、契約条件を書面又は電磁的方法により明確にすること、フリーランスから納品等がされた日から60日以内に委託料を支払うことが求められ、フリーランスへの理由なき不利益行為(受領拒絶、報酬減額、返品、低廉な報酬設定、やり直し強制等)が禁止されます。また、フリーランスの就業環境の整備のため、育児介護等への必要な配慮、ハラスメント防止のための体制整備、継続的業務委託を中途解除する場合の30日前までの予告等も必要となります。
以上に違反した特定業務委託事業者に対しては、公正取引委員会等による助言、指導、報告徴収・立入検査、勧告等がなされることとなります。
例えば、シルバー人材の活用等、フリーランスを活用して事業を行っている公益・一般法人も多くあるものと思いますが、新法施行後は(公布後1年6か月以内に施行予定)、以上のような措置を講ずることが義務づけられるため、新法の内容、関係省庁等からのアナウンスには十分注意し、業務委託契約書の整備、見直し等、新法施行に向けた準備が今後必要となるでしょう。

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