ファンドレイジングとは⑨【最終回】

(公開日:2019年7月5日)

ー法人に向けてのファンドレイジング対してのメッセージは?

2つあるのですが、1つはファンドレイジングって非常に面白いと思うんですよね。

 

皆さん資金繰りに苦しんでいるというか・・どうやって資金を集めていこうかと、寄付もなかなか大変だし助成金申請も結構手間がかかるというのが・・そういうネガティブな声をよく聞くと思うんですけれども。

 

ファンドレイジングに取り組んでいくという事は、自分たちをしっかりと分析をしたり 自分たちがどうゆう社会を創りたいのかという事を考えたり、結構熱い議論をしたりしてやっていくことだと思うんですね。

 

 

熱い議論を繰り広げた上で冷静な頭で、その時にどうやって寄付を集めようかだとか、助成申請書をどういうふうに書こうだとかという事になってくるので。

 

特に非営利法人をやっている方々って熱い方々が多いので。その過程をすごく楽しんで欲しいなあと思います。

 

資金繰りだけを考えると非常に辛い道のりのような気がするのですが、自分達がどういう社会を創りたいのかというのを楽しんで考えながら、その先にファンドレイジングがあるんだなという。

 

戦略的ファンドレイジングの考えをとって頂くともっと面白い取り組みになるんじゃないかなと思いますね。

 

 

もう一つは、私たち非営利団体(一般法人・公益法人の方々)が手にする資金というのは儲けがないんですよね。必ずどこかの誰かが社会に託したお金なんです。

 

それは寄付という形であったり会費という形であったり、あるいはNPOが売っているものを買うという事業収入であったり。

 

形は様々なんですけども、助成金・補助金だってずっと考えていけば、誰かの寄付だったりするわけじゃないですか。

 

その社会に付託されたお金を私達は取り扱っているんだという意識を、常に持ち続けていく必要があると思うんですよね。

 

ー「志金」

そういう意味では資金調達の「資」の字を「志」という字に変えていく事。いかに私たちが得たお金を、志(こころざし)あるお金として社会に循環させて、非益者の方々に届けていく。

 

事業として世の中に還元をしていくこと、そういう意識は常に持ち続けなければなりません。

 

いかにファンドレイジングを頑張ってどれだけ寄付を集めたとしても、社会は変わっていかないと思うんですよね。そこの意識を持ち続けるというのも、もちろん大事かなと思います。

 

認定ファンドレイザー 山﨑庸貴氏 プロフィール

一般財団法人ふくしま百年基金 代表理事

認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会

認定ファンドレイザー/認定講師/東北チャプター共同代表

 

福島県会津若松市出身・在住。東北学院大学教養学部卒業、筑波大学大学院経営・政策科学研究科修了。経営学修士(MBA)。

 

学生時代を捧げた国際交流NPOの活動を通じて、NPOの「経営」に関心を持つ。外資系経営コンサルティング会社にて人材・組織マネジメントを専門としたコンサルティングに従事の後、NPOの組織診断や調査等を実施する中間支援NPOにて研鑽を積む。その後、個人事務所を立ち上げ、NPOの組織開発や人材育成、プロジェクトマネジメント支援、ワークショップ企画・運営等に携わる。

 

2011年に発生した東日本大震災・福島第一原発事故を契機に、故郷・ふくしまへUターン。復興支援で活躍するNPOのネットワークづくり、活動コーディネート、経営支援等に奔走する。

 

夢は「ふくしまを社会課題解決先進地にする」。

 

≪参考資料≫
(一財)ふくしま百年基金についてPDF
(一財)ふくしま百年基金 2018年活動報告PDF

 

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