ファンドレイジングとは⑧

(公開日:2019年7月3日)

Q 非営利団体だけでなく行政や企業と協働することについて

協働はすごく大事だと思います。協働するというのはある種役割分担ですよね。

 

社会の中で企業という存在があったり行政という存在があったり、あるいは非営利団体という存在があって、それぞれが別のことをやるだけでは社会って良くなっていかないと思うんですよ。

 

願わくば共通のビジョンを持ってやる。その上で企業らしさ行政らしさ非営利団体らしさを出して、自分達の独自の活動をやっていくと。そういうモデルがこれからの協働なんだろうなと思います。

 

コレクティブインパクトというのが最近言われていて、まさにコレクティブインパクトで目指そうとしているのは、

 

コレクティブって「集合する」とか「集まる」といった事なんですが、集合知、集まってみんなで知恵を出し合ってインパクトを出していこうという協働の仕組みですね。

 

これがないと、これからの複雑な社会課題の解決には繋がっていかないと思うんですね。

 

共通のビジョンを持つという事なので、自分達の社会をどうしていこうかという事を、それぞれの主体が集まって話し合うという事がまず大事になってきます。

 

その上で企業ができることは何なのか、企業の限界ってどうしてもあって。利益を出し続けていかなくてはいけませんので、利益を出しながらやれることは何かと。

 

行政には行政の限界があって、広くあまねく人達に利益があるような還元するような事業をやらなくてはいけない税金を使って。そういうことを行政としては、やっていく。

 

非営利団体は何かというと、その枠を超えることができると思うんですね。

 

非営利団体らしさというのはもちろんあるんだけれども、非営利団体だからこそ出来ることって非常に幅広くて、企業や行政の限界に類する様なものって、非営利団体にはあまりないと思うんです。

 

そこの自由度を十分に活用しながら、コレクティブインパクトを出していく上での働きをしていくという事が大事になってきますし、それぞれがそういう形で特徴をとらえて動いていくことが協働のポイントになっていくと思うんですよね。

 

助け合うというのは良いキーワードですよね。それぞれ補完し合って、やれることやれないことを補完し合いながらやるというのが大事になりますね。

 

これまでの協働というと行政の委託事業とかでも協働だと言われたりだとか、企業はお金出したら終わりみたいだったりとか、あまり協力し合わない風のモデルというのがこれまでの協働だとするならば、これからの協働はそれぞれが力を出し合って特徴を補完し合いながらやるという事になってくるかと思います。

 

認定ファンドレイザー 山﨑庸貴氏 プロフィール

一般財団法人ふくしま百年基金 代表理事

認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会

認定ファンドレイザー/認定講師/東北チャプター共同代表

 

福島県会津若松市出身・在住。東北学院大学教養学部卒業、筑波大学大学院経営・政策科学研究科修了。経営学修士(MBA)。

 

学生時代を捧げた国際交流NPOの活動を通じて、NPOの「経営」に関心を持つ。外資系経営コンサルティング会社にて人材・組織マネジメントを専門としたコンサルティングに従事の後、NPOの組織診断や調査等を実施する中間支援NPOにて研鑽を積む。その後、個人事務所を立ち上げ、NPOの組織開発や人材育成、プロジェクトマネジメント支援、ワークショップ企画・運営等に携わる。

 

2011年に発生した東日本大震災・福島第一原発事故を契機に、故郷・ふくしまへUターン。復興支援で活躍するNPOのネットワークづくり、活動コーディネート、経営支援等に奔走する。

 

夢は「ふくしまを社会課題解決先進地にする」。

 

≪参考資料≫
(一財)ふくしま百年基金についてPDF
(一財)ふくしま百年基金 2018年活動報告PDF

 

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