ファンドレイジングとは⑥

(公開日:2019年7月1日)

Q 会費の特性・ポイントについて

会員になっておくといいことがあるな、というのを実利感と呼ぶんですよ。会員になる場合の一番最初の入り口って、実利感が多いんですよ。

 

例えば、スタディーツアーをやっている団体さんがあって、会員さんだと会員割引で参加できる。これは実利感ですよね。いかに実利感を高めるか、会員になることでメリットがあるのか、という会員制度を作る。

 

2つ目のポイントは共感ですね。共感は先ほどの寄付と一緒でメッセージですね。いかにこの団体の会員になりたいと思わせるか。そこは実利感だけだとやっぱり続かないんですよね。

 

スタディーツアーに何回も参加する訳じゃないじゃないですか。そうなると次に発生してくるのが共感の部分で、スタディーツアーに参加をした人がこの団体素敵だな、良い取り組みしているな、と思うことで会員を継続したりするわけです。

 

最後にでてくるのが仲間感です。マズローの法則というのがありまして、人間の欲求のマズローの5段階説というのがあるんですけれども、上のほうに行くに従って自己実現をしたいとか、自分が社会の中で役割を持ちたいというそういう欲求に人間って変わってくるんですね。

 

それを考えたときに、この団体の会員になることで自分がその団体の中で役割を持つ、仲間になるんだ、そういう意識が人々の心に訴えかける訳なんですよね。

 

共感をして、例えば代表のメッセージに感動して会員になるというのがもちろんすごく大事です。その次にあるのは仲間感で、自分がその団体の会員になることで、例えば、スタディツアーのボランティアリーダーになることができるとか、その団体の会員限定サロンがあって、その中でお話をすることができるとか、自分に何か役割を持たせられると会員としての継続率は高まるといえます。

 

実利感・共感・仲間感 この3つを考えた会員制度を作ることが大事なってきます。

 

ー私たちも実利ばかりに焦点を当てていた部分があるので、共感・仲間感の大切を痛感します。

 

仲間感作りって難しいですよね。この団体に所属をしているということで、自分もその団体の一員なんだと思ってもらえる様な、そういう仕掛けにする。それがすごく大事になってきますよね。

 

「ふくしま百年基金でシンポジウム」なんかやるんですけれども、寄付者の方々に「来てください」って言ったりするんですけども、その時に「ボランティアしてくださる方いませんか?」って声掛けするんですよ。そうすると意外と1人か2人、ボランティアしたいという人が出てくるんですよ。

 

これが仲間感。自分も運営に携わっているんだ。そういう気持ちになってもらうとか、自分も仲間として迎えられたんだ。という所属の欲求が満たされるとか。会員とは違いますけど、環境を作っています。

 

認定ファンドレイザー 山﨑庸貴氏 プロフィール

一般財団法人ふくしま百年基金 代表理事

認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会

認定ファンドレイザー/認定講師/東北チャプター共同代表

 

福島県会津若松市出身・在住。東北学院大学教養学部卒業、筑波大学大学院経営・政策科学研究科修了。経営学修士(MBA)。

 

学生時代を捧げた国際交流NPOの活動を通じて、NPOの「経営」に関心を持つ。外資系経営コンサルティング会社にて人材・組織マネジメントを専門としたコンサルティングに従事の後、NPOの組織診断や調査等を実施する中間支援NPOにて研鑽を積む。その後、個人事務所を立ち上げ、NPOの組織開発や人材育成、プロジェクトマネジメント支援、ワークショップ企画・運営等に携わる。

 

2011年に発生した東日本大震災・福島第一原発事故を契機に、故郷・ふくしまへUターン。復興支援で活躍するNPOのネットワークづくり、活動コーディネート、経営支援等に奔走する。

 

夢は「ふくしまを社会課題解決先進地にする」。

 

≪参考資料≫
(一財)ふくしま百年基金についてPDF
(一財)ふくしま百年基金 2018年活動報告PDF

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