Excel活用法 第2回 会費通知書の作成方法

(公開日:2018年12月14日)

>宛先だけ変わるような文書の効率的な作成方法

第2回「会費通知書の作成方法」

 

1 会費通知書作成の概要

 今回からさっそく本題に入りたいと思います。

 

タイトルにあります“宛先だけ変わるような文書の効率的な作成方法”として、まずは「会費通知書の作成方法」を紹介いたします。

実務上、請求書をはじめこのような文書はたくさんあるかと思います。“宛先だけ~”とありますが、実務的には宛先のほかに金額なども変わるケースが多いと思いますので、そのあたりにも今後触れていきたいと思います。

 

また、宛先の件数によっては、vlookup関数を使うより、リストから選択する方法の方が効率的な場合もあるかと思いますので、その方法も後ほど説明させていただきます。

 

まずは基本形として簡易的な様式を紹介し、そこから応用で実務に近づけていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

2 事前準備

 今回[フォームコントロール]の[スピンボタン]という機能を使うため、[開発]タブを表示するための設定が必要となります。

 

 Excel起動時の画面のメニューの[ファイル]→[オプション]→[リボンのユーザー設定]→右側[メインタブ]の[開発]のチェックボックスにチェックを入れ、[OK]ボタンを押します。すると次のようにメニューに[開発]タブが表示されます。

 

 

3 作成手順

(内容はサンプルです)

 

 ① [Sheet1]に次のように会員の一覧表を作成します。

 

 

 ② [Sheet2]に次のように会費通知書の様式を作成します。

 

  なお、セルA2には後ほどvlookup関数を入力します。

 

 ③ [スピンボタン]部分の設定をするため、次のようにセルE2に“1”を入力し、目立たせるため外枠太罫線で囲います。

 

 ④ 上記事前準備で説明した[スピンボタン]をクリックし、オートシェイプの正方形を描くような要領でセルE2の右側あたりに表示します(大きさや表示場所はどこでも大丈夫です)。

 

 

 ⑤ [スピンボタン]の上で右クリック→[コントロールの書式設定]をクリックすると次のダイアログボックスが表示されますので【最小値→1、リンクするセル→E2】とし、[OK]ボタンを押します(最大値は、今回の例では10件のため10としてもよいのですが、後から件数を増やすことを考慮し、初期値の30000のままとします)。

 

なお[リンクするセル]は、赤○部分をクリックするとセル選択画面になりますので、そこでセルE2をクリックする方法をおすすめします。

 

 

 ⑥ セルA2に次のようにvlookup関数を入力します。vlookup関数そのものの説明は省略しますが、ここでは【検索値→E2、範囲→[Sheet1]のセルA2からセルB11まで、列番号→2】としています。なお、vlookup関数の検索方法(TRUEまたはFALSE)の使い分けについては応用のところで説明させていただきます。

   数式の結果として、セルA2に“○○建設株式会社”と表示されます。

 

 

 ⑦ 会社名の後に“御中”を表示するため、先ほどの数式の後ろに次のように追加入力します。

   するとセルA2に“○○建設株式会社 御中”と表示されます。

 

 

 ⑧ 最後に印刷範囲を設定するため、セルA1からセルC18までドラッグし、メニューの[ページレイアウト]→[印刷範囲]→[印刷範囲の設定]をクリックし、完成です。

 

 [スピンボタン]の▲を押すたびに1→2→3…10と1ずつ増加し、セルA2の宛先が[Sheet1]で作成した会員名のとおりに切り替わります。なお▼を押すたびに10→9→8…1と1ずつ減少し宛先も連動します。

 

 これで簡単に宛先を切り替えることができますので、印刷もスムーズにできます。

 

 次回は、宛先のほかに金額も変わる場合の方法、宛先をリストから選択する方法について説明したいと思います。

 

 

4 日々のExcel作業で使える小技集

 

その1)セル内で改行

 

セル内で文字入力中、任意の位置で[Alt]キーを押しながら[Enter]キーを押すことで改行できます。

 

その2)全角入力モードのまま半角スペースを入力

 

[Shift]キーを押しながら[Space]キーを押すことで、全角入力モードの状態でも半角スペースを入力することができます。なおExcel以外でも使えます。

 

ご覧いただきありがとうございました。

 

(金田一/一般社団法人岩手県建設業協会)

 

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