ファンドレイジングとは⑤

(公開日:2019年6月28日)

Q 寄付の特性について

「関係性を丁寧にメンテナンスしていくという事が大事だ」という事が一番の特徴だと思います。

 

街頭募金のようなものは、すれ違った人がお金を入れてくれるというシステムかと思うんですけれども、クラウドファンディングみたいなことを考えていくときに、突然、僕がクラウドファンディングやります!といってReady forプロジェクトを立ち上げても、寄付は集まらないと思うんですね。

 

なぜかというと寄付を集めようとしている側が何者で、いったいどういう事をしようとしているのかという、そこのコミュニケーションが圧倒的にかけているからだと思うんです。

 

そこの関係性をきちんと作っていきましょうということが寄付の特徴です。

 

ファンドレイジングサイクルでは、いったい我々は何者かということをまず考えます。

 

何者ということを考えることは、寄付を集めようとしている僕はいったいどういうビジョンを持って、どういう事をやろうとしているのかという事を、世の中に発信していくそのメッセージをつくる事なんですね。

 

その為には個人であれば自己分析、団体であれば自団体の分析が必要です。

 

いったい私はどういうことがしたくて、なぜ寄付を集めたいのかという事をしっかりと把握して分析をしていくという事がまず大事になります。

 

その上で、どういうコミュニケーション方法を取っていくのか。メールで訴えるのが良いのか、集会を開いてその場で訴えるほうが良いのか、手紙を書くのが良いのか、そういう方法論を考えて初めてファンドレイジング・寄付集めが成り立つと思うんです。

 

そこの関係性づくりというのが非常に大事なってくると思います。

 

さらに言えば、寄付を頂いた後も次の寄付に繋げる為の関係づくりというのがすごく大事になってきますので、寄付を頂いて安心して良かったと思うだけでなく、よく「7回お礼を言え。」なんて言い方をするんですけども、折に触れてお礼を伝えていくことであったりだとか、その寄付がどういう風に使われていったのだとか情報発信をしっかりとしていくことであったりだとか。

 

寄付者と自団体との関係性のメンテナスということをしっかりやっていくということが 一番の特徴ですね。

 

例えば、寄付をしようとしたときに、インターネットで調べたりしていると思いますが、(寄付する団体が)どういう団体なのか、どういうミッションで活動を行っているのか。というのが、皆さんが一番知りたい部分ですね。

 

今は、クラウドファンディングは、色々なプロジェクトが増えてきてどうしても埋もれていってしまいます。自分達のメッセージがきちんと伝わらないと、なかなか寄付に繋がらないと思うんです。

 

例えば、環境保全をテーマに掲げていても、それぞれ特徴が違うじゃないですか。手法も違えばメッセージも違うので、そこでもって人々は判断すると思うんです。

 

自分達のオリジナルのメッセージというのはどこにあるのか・・オリジナルのメッセージというのは自分達が描いているビジョンの中に必ずあるので、それをしっかりと自己分析して発信するということが大事なってきますね。

 

とくに長年やってくると、メッセージがわかりづらくなるんですよね。なぜ設立されたんだっけとかいうことがありますからね。折に触れてメッセージづくりというのを、何年かに一度やってみるというのがいいかと思います。

 

認定ファンドレイザー 山﨑庸貴氏 プロフィール

一般財団法人ふくしま百年基金 代表理事

認定特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会

認定ファンドレイザー/認定講師/東北チャプター共同代表

 

福島県会津若松市出身・在住。東北学院大学教養学部卒業、筑波大学大学院経営・政策科学研究科修了。経営学修士(MBA)。

 

学生時代を捧げた国際交流NPOの活動を通じて、NPOの「経営」に関心を持つ。外資系経営コンサルティング会社にて人材・組織マネジメントを専門としたコンサルティングに従事の後、NPOの組織診断や調査等を実施する中間支援NPOにて研鑽を積む。その後、個人事務所を立ち上げ、NPOの組織開発や人材育成、プロジェクトマネジメント支援、ワークショップ企画・運営等に携わる。

 

2011年に発生した東日本大震災・福島第一原発事故を契機に、故郷・ふくしまへUターン。復興支援で活躍するNPOのネットワークづくり、活動コーディネート、経営支援等に奔走する。

 

夢は「ふくしまを社会課題解決先進地にする」。

 

≪参考資料≫
(一財)ふくしま百年基金についてPDF
(一財)ふくしま百年基金 2018年活動報告PDF

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